保険適用されるケースは限られている

基本的に、歯列矯正の治療費は保険適用外とされています。これは、歯列矯正が多くの場合「美容目的」とみなされるためです。しかし、以下の場合には例外として保険が適用されることがあります。

顎変形症の治療

顎変形症とは、顎の骨格に異常があり、噛み合わせや日常生活に支障をきたす症状を指します。このような場合、「顎変形症の診断を指定医療機関で受ける」「基準を満たした施設（顎口腔機能診断施設）で治療を受ける」などの条件を満たせば、保険が適用可能です。

先天性異常に伴う矯正

先天性異常に起因する不正咬合には、保険適用が認められることがあります。しかし、全部が該当するわけではありません。国が定めた疾患に該当する場合に限り、歯列矯正の保険適用が認められます。

自由診療における歯列矯正費用の相場

基本的に歯列矯正の費用は、すべて自己負担となります。治療費用の相場は、以下のとおりです。

全体矯正

全体矯正の場合、治療費用は80万～150万円程度が一般的な相場です。治療方法の種類や治療の難易度によって費用は上下します。

部分矯正

前歯など、一部の歯のみを矯正する場合、20万～50万円程度で治療が可能です。コストを抑えたい方に向いています。

上記の金額は、あくまで目安です。実際には矯正の内容やクリニックごとに、価格は大きく異なります。不安な方は、利用先のクリニックにどのくらいの費用がかかるのかを確認しておきましょう。

治療を行う前にかかる費用

歯列矯正を行う前に、カウンセリング料と診断料の2つがかかります。これらは、歯列矯正を行うために必要なデータを集めるのにかかる必要です。それぞれの概要としては、下記をご覧ください。

カウンセリング料

カウンセリングでは、歯列矯正が必要かどうかを歯科医師が判断します。クリニックごとに設定されている金額は異なりますが、ほとんどの場合は数千円程度です。

診断料

矯正治療を始める前の精密検査や診断にかかる費用です。レントゲン撮影、虫歯のチェックなどが含まれます。診断料は、数万円程度かかります。

治療の時にかかる費用

歯列矯正の治療中にも、あらゆる費用がかかります。それぞれの概要としては、以下のとおりです。

装置料

歯を矯正するための装置にかかる費用です。使用する装置の種類によって費用が大きく変動します。歯列矯正の費用の中でも、かなりの割合を占める項目です。数十万円～数百万円ほどかかるでしょう。

調整料

月に1回程度の通院で、装置の調整やワイヤーの交換などを行う費用です。1回あたり3,000円～10,000円程度が相場となるでしょう。

治療後にかかる費用

装置を外した後、歯は動きやすくなっているため、保定を行わなければなりません。この保定にも、費用がかかります。治療後にかかる費用の概要としては、下記のとおりです。

保定装置料

矯正治療が完了した後、歯の後戻りを防ぐために使用する保定装置（リテーナー）の費用です。数万円程度が相場です。

保定観察料

保定を行っている間は、定期的に通院して経過を観察します。保定観察料は、数千円程度かかることが多いです。

分割払い

多くの歯科医院では、治療費を数回に分けて支払う分割払いが可能です。分割回数はクリニックによって異なりますが、一般的には24回程度の分割払いができます。歯科医院が独自に用意しているものであり、利息がかからないことが多いです。事前に確認しておきましょう。

くにい歯科・矯正歯科では、利息なしの分割払い（院内ローン）をご用意しています。詳細に関してはお問い合わせください。

デンタルローン

デンタルローンは、歯科治療専用のローンです。金融機関が提供しており、高額な治療費を無理なく支払うことができます。デンタルローンのメリットは、金利が比較的低いことです。ただし、ローンには審査がありますので、その点は注意しましょう。

クレジットカード払い

一部の歯科医院では、クレジットカードでの支払いが可能です。クレジットカードを利用することで、ポイントが貯まったり、分割払いが利用できたりするなどのメリットがあります。どのようなカードが使えるのかは、歯科医院によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。