原因1.抜歯による影響を受けたから

歯列矯正では、場合によっては抜歯が必要になることがあります。抜歯を行うと歯列のバランスが変わり、それが原因で頬コケが起きるケースもあるのです。ただし、抜歯を行ったからといって頬コケが絶対に生じるわけではありません。

原因2.矯正中に表情筋が衰えてしまったから

矯正治療中は歯に装置が装着されるため、食事がしづらくなることがあります。この結果、咀嚼が十分に行えず、顔の筋肉、とりわけ表情筋が衰えてしまうこともあるでしょう。筋肉が衰えてしまうと、頬コケが生じる可能性が高くなります。

原因3.エラの張りがなくなったから

矯正治療によって噛み合わせが改善されると、エラ張りが緩和されることがあります。この改善は顔全体のバランスを良くする一方で、頬がこけたように見える場合があるのでエラ張りがある方は覚えておくとよいでしょう。

歯列矯正を行うにあたって、頬コケが生じる可能性はゼロではありません。しかし、これらの変化は一時的である場合も多く、矯正が終了し、食事や日常生活の動作が通常に戻れば改善されることも少なくないでしょう。

また、頬コケを避けるためには、矯正中に表情筋を鍛えるエクササイズを取り入れることも重要です。矯正治療を検討している方は、信頼できる歯科医師と十分に相談することをおすすめします。

歯根吸収に注意する

矯正治療を行う際、歯を動かすために力を加えると、歯の根元が少しずつ短くなることがあります。これを「歯根吸収」と呼びます。歯根が短くなると、歯の安定性に影響を与える可能性があるため、治療前にリスクをしっかりと歯科医師に相談し、定期的なチェックを受けることが重要です。

歯根吸収は、通常の矯正治療ではごくわずかに起きるだけであり、影響はほとんどありません。しかし、何度も矯正治療を行っていたり、通常よりも長い時間をかけてしまったりすると、歯根吸収の影響が強まるので注意しましょう。

歯肉退縮に注意する

矯正治療中に、歯ぐきが下がる「歯肉退縮」が起こる場合があります。歯に過度な力が加わった、あるいは歯磨きの力が強すぎた際に生じる可能性がある現象です。

歯肉退縮が進行すると歯根が露出し、知覚過敏や虫歯・歯周病になる可能性があります。そのため、矯正治療中は正しい歯磨きとメンテナンスを心がけ、歯科医師の指導を受けることが大切です。

痛みに注意する

矯正中に、痛みや違和感を覚えることがあります。これは、歯が新しい位置に移動するために起こる自然な反応です。あまりにも痛みが続く場合は、速やかに歯科医師に相談しましょう。

虫歯に注意する

矯正装置を装着すると、歯磨きがしにくくなるため、食べ物のカスや歯垢が溜まりやすくなり、虫歯のリスクが高まります。虫歯を防ぐためには、歯ブラシやフロス、洗口液などを活用し、徹底的な口腔ケアを行うことが必要です。

歯列矯正は、多くのメリットをもたらす治療法ですが、治療中のリスクや注意点について理解し、適切に対処することが大切です。歯科医師の指導をしっかりと受け、定期的なチェックやメンテナンスを怠らないようにしましょう。これにより、健康で美しい歯並びを手に入れることができます。

担当医とよく話し合う

矯正治療中に頬がこけてしまう原因は、矯正器具の影響や噛み合わせの変化など、さまざまなものが考えられます。まずは担当の歯科医師に相談し、自身の状態やリスクについて確認しましょう。医師に自分の不安や疑問を率直に伝えることで、頬コケを避けるための対応方法を考えてくれます。

表情筋を鍛える

頬コケを予防するためには、顔の筋肉をしっかりと鍛えることが有効です。表情筋を活性化させることで、頬が引き締まり、健康的な見た目を維持できます。鍛え方はさまざまですが、今回おすすめしたいのがガムを噛むことです。噛む習慣を身につけることで、表情筋を手軽に鍛えられます。

適切な治療を選択する

矯正治療を始める前には、精密な検査を受け、最適な治療法を選択することが大切です。顎や歯列の状態を細かく分析することで、頬コケが発生するリスクを事前に把握できます。治療計画の段階でリスクを考慮しながら進めることで、トラブルを防止できるでしょう。

定期的に通院する

矯正治療は長期にわたることが多いため、定期的な経過観察が欠かせません。治療中に頬コケの兆候が見られた場合、早めに医師に報告し、必要な対策を講じてもらいましょう。定期的に通うのは大変かもしれません。しかし、こまめに検査を行うことが、頬コケの予防につながります。

これらの対策や予防法を実践することで、歯列矯正中も頬コケを防ぎやすくなるでしょう。矯正治療は長い治療期間がかかるからこそ、適切なケアを行いつつ医師との連携を行って対応することが大切です。