ステップ1：初回カウンセリングと精密検査の実施

治療への希望を伺った後、精密検査を実施します。レントゲンやCT撮影に加え、iTeroなどの口腔内スキャナーを用いて歯並びを正確にデジタルスキャンするプロセスが、インビザライン治療では重要となります。このデータが治療計画の土台です。

ステップ2：3Dシミュレーションソフトウェアによる治療計画

精密検査の結果を基に、専用の3Dシミュレーションソフトウェアを使用し、歯がどのように動いていくかを立体的に予測するプロセスへ移行します。

このシミュレーションで、治療期間の目安や最終的な歯並びを事前に確認し、患者様と歯科医師が共有します。

ステップ3：治療計画の最終決定とアライナーの作製

3Dシミュレーションの内容に患者様が納得し、最終的な治療計画を承認した後、治療に必要なすべてのアライナーを作製します。これが、実際の治療開始につながる最終段階です。

治療期間の一般的な目安

インビザライン治療には、歯を動かす「動的治療期間」と、歯並びを安定させる「保定期間」があります。

動的治療期間

中程度から重度の全体矯正の場合、2年～3年程度が一般的な目安となります。軽度の症例や部分矯正の場合は、1年程度で完了することもあります。

保定期間

動的治療後に後戻りを防ぐため、別途1年～3年程度の保定装置（リテーナー）の装着が必要です。

治療期間に影響を与える主な要因

治療期間は、主に以下の要因によって影響を受けます。

症例の難易度

歯の移動量が多かったり、抜歯が必要であったりする難症例であるほど、治療期間は長くなります。

患者様の協力度

アライナー（マウスピース）の適切な装着時間を守ることが、治療期間に最も直接的に影響を与えます。

計画の修正

治療の経過によっては、計画を見直す必要が生じる場合があり、その際の修正によって治療期間が延びることがあります。

アライナーの装着時間の重要性

インビザライン治療において、歯を計画通りに動かすためには、1日20～22時間以上の装着が必須です。アライナーは、装着している時間だけ歯に適切な力をかけ、少しずつ歯を動かします。

装着時間が短すぎると歯に力がかかる時間が不足し、計画された量の移動が完了しません。その結果、次の段階のアライナーに交換しても、歯が十分に動いていないためにアライナーが合わなくなってしまう可能性があります。

装着時間を守らないことによる影響

指示された装着時間を守らない場合、治療期間に以下の具体的な影響が出ます。

治療期間の大幅な延長

アライナーが合わなくなると、治療計画の修正や、アライナーの再作製（リファインメント）が必要になります。この修正プロセスに時間がかかるため、結果として当初の予定よりも治療期間が大幅に延長してしまいます。

治療効果の低下

計画通りに歯が動かないことで、最終的な噛み合わせや歯並びが理想的な状態にならず、治療効果が低下してしまう可能性があります。

追加費用発生のリスク

治療計画の修正やアライナーの再作製には、追加費用が発生する場合があります。

装着時間を守るための工夫

インビザラインの治療期間を計画通りに終えるためには、装着時間を守るための習慣づけが大切です。食事や歯磨き以外の時間は常に装着することを徹底し、外した際は必ず専用ケースに保管することで、紛失や破損を防げます。

Q1．治療開始前の3Dシミュレーションはどのような役割がありますか？

A．3Dシミュレーションは、歯の動きを立体的に予測し、治療期間の目安や最終的な歯並びを事前に確認する重要なプロセスです。これにより、患者様と歯科医師が治療計画を共有できます。

Q2．インビザラインの一般的な治療期間の目安はどのくらいですか？

A．全体矯正の場合、動的治療期間は2年～3年程度が一般的な目安です。治療期間は症例の難易度や、患者様による装着時間の順守に大きく影響を受けます。

Q3．装着時間を守らないと治療期間にどのような影響がありますか？

A．装着時間を守らないと、歯が計画通りに動かずアライナーが合わなくなります。その結果、治療計画の修正が必要となり、治療期間が大幅に延びてしまう原因となります。