裏側矯正と表側矯正の違い

それぞれの違いは、以下のとおりです。

・ブラケットを装着する位置

どちらも矯正装置を歯に装着して矯正治療を行いますが、裏側矯正はその名のとおり歯の裏側に、表側矯正は歯の表側に矯正装置をつけます。

・治療手順

歯の表側は比較的平らなのに対し、裏側は凸凹しているうえに表側よりも面積が狭いため、それぞれの歯の形に合わせながら矯正装置を作ります。これには高い技術と経験が必要です。

・治療費用

一般的に、表側矯正よりも裏側矯正のほうが治療費は高くなります。なぜなら、上述したように、裏側矯正を行うためには一人ひとりに合った矯正装置を作成する必要があるためです。

裏側矯正のメリット

・他人の目を気にせずに矯正治療ができる

裏側矯正の最大のメリットは、やはり矯正装置が外側から見えないという点です。「矯正治療を行っていることを他の人に知られるのは嫌だ」「職業柄、矯正装置が目立つ表側矯正はできない」という方におすすめです。

・舌癖防止になる

常に舌で前歯を押す癖がある場合、出っ歯の原因となります。舌の正常な位置は、口を閉じてリラックスした状態で、上の歯の付け根から1センチほど奥に下がったスポットです。裏側矯正は装置が裏側についているため、舌がタンスポットの位置から上に動くことを防ぎます。これにより癖が改善され、矯正治療後の後戻りのリスクも減らすことができます。

・虫歯になりにくい

歯の裏側は常に唾液が循環していることから、個人差はあるものの、唾液の殺菌作用や再石灰化作用などにより虫歯菌が増殖しにくいというメリットがあります。しかし、歯の裏側はなかなか磨きにくい部分です。虫歯になりにくいからといって歯磨きを怠ると虫歯になるリスクが高くなるため、裏側まで丁寧に歯磨きを行いましょう。

裏側矯正のデメリット

・費用が高い

一人ひとりに合わせてオーダーメイドで装置を作製し、取り付ける際にも高度な技術が必要になることから、費用は高くなってしまいます。

・発音がしにくい

矯正装置により、舌を歯の裏に当てて発音するさ行・た行・ら行、英語ではth、lとｒが発音しにくくなります。しかしこれは一時的なもので、装置に慣れていけば普段どおりに発音することができます。

・歯磨きが難しい

歯の裏側は目視しづらく、歯ブラシも届きにくいことから、歯磨きが難しくなります。虫歯・歯周病・口臭などの口内トラブルを防ぐためには、時間をかけて丁寧に歯磨きするよう心掛けましょう。