矯正治療の短縮化を図る方法

矯正治療の短縮化を図る方法

矯正治療の短縮化を図る方法

矯正治療の短縮化を図る方法

矯正治療に対して一般的に認識されていることのひとつに、「装置を装着している期間が長い」ということがあげられます。矯正治療を受けたいと思っている方のなかには、それが理由でなかなか治療に踏み切れない方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし最近では、従来の方法に比べて治療期間の短縮化を図る方法が開発されており、当院では「歯科矯正用アンカースクリューによる治療」「コルチコトミー」「セルフライゲーションブラケット矯正」を行なっています。

歯科矯正用アンカースクリュー
による治療

歯科矯正用アンカースクリューによる
治療とは

歯科矯正用アンカースクリューによる治療とは

「歯科矯正用アンカースクリューによる治療」は、ミニスクリュー(ねじ)型などの器具を顎の骨の表面に一時的に埋め込み、それを固定源として矯正装置で歯を移動させる治療方法です。これらの器具は「歯科矯正用アンカースクリュー」といわれ、歯を失ったときに顎の骨に埋め込むインプラント(人工歯根)とは異なります。この歯科矯正用アンカースクリューを固定源として歯をけん引すると、歯の動きが安定するため歯がスムーズに移動します。そのため、通常2~3年の治療期間を半分ほどに短縮できる場合があります。また、歯科矯正用アンカースクリューを使って顎の後方へと歯を移動させることで、歯がきれいに並ぶためのスペースを獲得することができるため、抜歯を最小限に抑えることが可能です。

歯科矯正用アンカースクリューによる
治療の仕組みと
手術方法

ブラケットとワイヤーを使用する場合、ワイヤーでつながれた歯と歯が互いに引っ張り合うことによって歯を移動させます。このように互いに引っ張り合う方法では、ワイヤーでつながれたそれぞれの歯が動いてしまい、引っ張る力が不安定になることがあります。
しかし「歯科矯正用アンカースクリューによる治療」では、固定源が移動することはないので、効率よく歯を動かすことができます。また、歯科矯正用アンカースクリューを埋め込んだ位置により、歯を前後・上下・左右と立体的に移動させることが可能となります。

歯科矯正用アンカースクリューによる
治療メリット

  • 固定源がしっかりしており、効率よく歯を移動できるため、治療期間を短縮できる。
  • すべての歯を後ろに移動させられるため、抜歯をせずに治療できる場合がある。
  • 従来使用していた、ヘッドギアなどの補助的な矯正装置を使用せずに済む。

※効果には個人差があり、症例によってはこれらのメリットが該当しない場合もあります。
※また、原則として顎の骨の成長が終わった高校生以上の方が対象となります。

歯科矯正用アンカースクリューによる
治療デメリット

  • 歯科矯正用アンカースクリューを埋め込むための手術が必要となる。
  • 歯科矯正用アンカースクリューの周りを清潔に保たないと感染を引き起こす場合がある。
  • 歯科矯正用アンカースクリューが小さいので、治療中に外れることがある。

治療期間を
短縮を図る矯正
(コルチコトミー
併用矯正)

治療期間を短縮を図る
矯正(コルチコトミー
併用矯正)とは

治療期間を短縮する矯正(コルチコトミー併用矯正)とは

通常の歯列矯正は、歯並びにもよりますが、1年から3年ほど治療期間がかかります。一方、「治療期間を短縮する矯正」は、通常の矯正装置による治療方法に加えて、コルチコトミーなどとよばれる外科手術により治療期間を短縮します。手術と聞くと大がかりなことを考えますが、この方法は親知らずを抜く程度の手術で、約1~2時間で終わります。術後は多少の腫れや痛みを伴いますが、その日のうちに帰宅できます。

コルチコトミー
(歯槽骨皮質骨切術)とは

歯肉を切開してめくり、動かす歯の周囲にある骨改造速度の遅い皮質骨を一部除去することで、歯が動ける範囲を拡大したり、歯が動くときの抵抗を軽減したりする手術です。
歯の移動速度を速くすることができるので、約8ヵ月~1年で治療を終了することができます。

コルチコトミー
併用矯正のメリット

  • 通常の装置のみの治療よりも短期間で治療が終了する。
  • 抜歯をしなくても治療できるケースがある。
  • 歯根吸収、歯肉退縮、後戻りの軽減が期待できる。

コルチコトミー
併用矯正のデメリット

  • 外科手術をともなう。
  • 治療期間を短縮する矯正は行なっている医院が少ない。
  • 矯正装置による治療よりも費用がかかる。

セルフライゲーション
ブラケットの仕組みと
装着方法

セルフライ
ゲーションブラケット
矯正とは

セルフライゲーションブラケット矯正とは

「セルフライゲーションブラケット」とは、従来の矯正装置とは異なり、「Low-force, Low-friction」(ローフォース・ローフリクション=「少ない力・少ない摩擦」)で痛みが少なく早く歯を動かせる装置です。このセルフライゲーションブラケットを用いた矯正治療が、セルフライゲーションブラケット矯正です。

セルフライ
ゲーションブラケットの
仕組みと装着方法

セルフライゲーションブラケットの仕組みと装着方法

セルフライゲーションブラケットでは、ワイヤーを強く固定するのではなく、多少余裕がある状態で装着します。従来の装置では、強い力で引っ張ることがよいとされていましたが、その方法だと歯周組織に負荷がかかるという問題がありました。しかし後に、弱い力で引っ張る方が、歯を動かすために必要な歯槽骨(歯を支える骨)の吸収と再生が適切な速さで行なわれることが発見され、その結果、速く歯が移動するということが判明しました。装着方法は従来の矯正装置と同じく、歯にブラケットを一つずつ装着し、そこにワイヤーを通すのですが、ワイヤーと歯を固定する結紮(けっさつ)リングやゴムを使用しません(結紮は、主に医療用語で「結ぶ」「縛る」という意味です)。セルフライゲーションブラケットでは、ブラケットに開閉式のシャッターが付いており、そのシャッターを専用器具で開き、そこにワイヤーを入れてシャッターを閉じることでブラケットにワイヤーを固定します。セルフライゲーションブラケットは、このような簡単な設計でゴムの結紮が必要ないので、作業中の痛みはほとんどなく、一つのブラケットにかかる時間も従来の装置に比べて10分の1程度に短縮されます。

セルフライ
ゲーションブラケット
のメリット

  • 従来の矯正装置に比べ、治療期間が短縮できる。
  • ワイヤーを留めるのに結紮リングやゴムを使用しないので、1回あたりの治療時間が短い。
  • 弱い力で歯が動くため、痛みが少ない。
  • その患者様に合うバランスのよいところまで歯列が自然に拡大するので、非抜歯で治療できる場合がある。
  • 無理な力を加えないので、歯周組織への負荷が少ない。

セルフライ
ゲーションブラケット
のデメリット

  • シャッターの部分が金属なので、目立つ。
  • ブラケットが複雑な構造をしているうえ、拡大効果が十分に得られるよう厚くなっている。

薬機法において承認されていない医療機器「光加速矯正治療装置(オーソパルス)」について

提供している光加速矯正治療装置(オーソパルス)は、医薬品医療機器等法(薬機法)においてまだ承認されていない医療機器となりますが、その有効性を認め、導入しています。

○未承認医薬品

光加速矯正治療装置(オーソパルス)は、薬機法上の承認を得ていません。
(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2022年11月19日最終確認。)

○入手経路

光加速矯正治療装置(オーソパルス)はカナダ、バイオラックスリサーチ社の製品の商標です。個人輸入によりカナダ、バイオラックスリサーチ社より入手しております。
※個人輸入に関しては、厚生労働省ホームページに掲載された「個人輸入において注意すべき医薬品等について」のページの注意点をご参考にお願いいたします。

○国内の承認医薬品等の有無

光加速矯正治療装置(オーソパルス)は、2015年にFDA(アメリカ食品医薬品局)によって、ワイヤー矯正、インビザラインなどのマウスピース矯正の両方で使用を認められた光加速装置です。
しかし、日本では薬機法対象外です。

○諸外国における安全性等に係る情報

光加速矯正治療装置(オーソパルス)は、FDAで認証を受けた医療機器です。
アメリカ・カナダ、オーストラリア、シンガポールなどで、医療機器として認証を受けています。
重篤な副作用の報告はありません。
しかし光加速矯正治療装置(オーソパルス)は、日本では薬機法対象外です。
その為、光加速矯正治療装置(オーソパルス)を併用した矯正治療は、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。